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2008年07月27日

K20D ダイナミックレンジ拡大機能を考える #4


Eze にて - Pentax K20D, smc Pentax FA77mmF1.8 Limited
 
エズは “鷲の巣村” といわれる集落の 1 つだ。その名のとおり、麓から見ると断崖に張り付いているようだ。村一番の高さのシャトーの頂上からは、地中海を文字通り見下ろすことができる。
ヴィルフランシュシュルメールとは対照的に、あまり生活の匂いはしない。
きれいな観光地、だ。

  ・・・
 
K20D の A/D 変換 (アナログの光量をデジタルの数値に置き換える) は 14 bit。一方、K20D の raw フォーマットは 12 bit。つまり、A/D 変換した時点では、raw フォーマットより 4 倍細かいグラデーションを持っていることになる。
理論上、raw に保存する際に一部を 4 倍に引き伸ばしてもトーンジャンプはない、ということになる。
それなら、と、実際に設定された ISO 感度より 1 段暗い感度で取り込んで白飛びを回避し (白飛びだけはどうしようもないので)、raw に保存するときにトーンカーブの両端を変えずに中心を全体的に明るいほうにシフトしてダイナミックレンジが広げよう、っていうのがソフトウェア的ダイナミックレンジ拡大機能。(もちろん、シャドー部のノイズの少ないことが条件ですけどね。)

でも、ここでちょっと待てよ、と思うでしょ?

だって、12bit/c raw で撮影して最終的に 8 bit/c の jpeg に落とすなら、その時点で 16 倍も余裕があるんだから、カメラに勝手にやられるなら自分でやるよ、って。

それ、正解。
12bit/c の raw から 8bit/c の jpeg に落とすなら、ソフトウェア的なダイナミックレンジ拡大が必要になる場合はほとんどない。
ただ、最終が 16bit/c の tiff に落として紙焼きする場合は別。この場合、12bit/c の raw のまま tiff に落としてもデータ的にはトーンジャンプするわけで。
つまり、ISO100 をどうしても使用しなければいけない場合以外は、raw で撮るとしてもダイナミックレンジ拡大機能を使っている方が有利・・・と言いたいところだけど、使ってみるとそうとは言い切れないんだよね・・・ (次回に続く)

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2008年07月22日

K20D ダイナミックレンジ拡大機能を考える #3


Villefranche-sur-Mer にて - Pentax K20D, smc Pentax FA77mmF1.8 Limited
 
ヴィルフランシュシュルメールは、コートダジュールの観光地では珍しく生活感のある村だ。
普通の人が普通に生活している。
だから、逆にカメラを向けるのは少し気が引ける。無礼なような気がするからだ。

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ダイナミックレンジの話から少し離れてしまったけど、行きがかり上、もう少し行ってみる。
そんな AF でも、レンズによって合いやすいのと合いにくいのがある。まぁ、当然だけど、明るい望遠は、暗い広角より合いやすい。当たり前だけど。
手持ちのレンズで色々やってると、FA77/1.8 は AF が結構 “使える” ことが分かった。K20D のダイナミックレンジ拡大機能を活かして “シャッター切るだけカメラ” を実現するには、AF で使えるレンズが必須だから当面 FA77/1.8 の専用カメラとして使って行くしかないな・・・

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さて、肝心の K20D に搭載されたダイナミックレンジ拡大機能だけど、前に書いたとおり、“ソフトウェア的” なものだ。
つまり、実際の取り込みは 1 段暗い ISO 感度で行い、A/D コンバータの階調分解能と実際の記録ビット数との差を利用して、“間を伸ばす” 処理をしている。

Fujifilm S3Pro/S5Pro のような CCD そのもののダイナミックレンジを広げる “ハードウェア的” なものとは異なる。
同じ Fujifilm でもコンパクトデジカメの F100fd は、K20D 同様の “ソフトウェア的” な処理を行って、ダイナミックレンジを広げている。
現状では、S3Pro/S5Pro のハードウェア的なものと比べて、シャドー部分の描写能力が見劣りするのは否めない。(次回に続く)

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2008年07月15日

K20D ダイナミックレンジ拡大機能を考える #2


Nice にて - Pentax K20D, smc Pentax FA77mmF1.8 Limited
 
「もっとスノッブな街かと思ったよ。」

「ニースだからね。モナコとは違う。」

ニース生まれのタクシー ドライバーのオヤジさんはそう言って笑った。
確かに、そんな街だな。

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僕が “ダイナミックレンジの広さ” が欲しかったのは、とにかく “シャッター切るだけカメラ” を実現したかったからだ。
これまでは、S3Pro/S5Pro 以外のデジカメでは、“絞り優先オート” などのカメラ任せの露出では、とてもじゃないけど使い物になる画は撮れなかった。なので、これまでは露出は当然 “スポット測光&マニュアル露出”。もうついでだから、フォーカスもマニュアル。PENTAX のマニュアルレンズは安くていいのが入手できるしね。

でも、ダイナミックレンジが広ければ、多少カメラが計算する露出値がヘボくても、何とかなる。
でも、露出の問題より先に、“シャッター切るだけカメラ” には大きな関門が・・・

それは、AF。

K20D で初めてまともに PENTAX の AF を使った。これまで K100D では、ずっと露出もフォーカスもマニュアルだったので、全然気付いてなかったのだけど、率直に言って・・・ ダメです。

特に、背景の手前にある “細くて尖ったもの” には、全然合焦しない。
迷って迷って迷った挙句にギブアップ → シャッター切れない、となったり、思ったところと随分違うところにフォーカスが合って何度やり直しても思ったところに合焦しない、ということが度々。
古いボディがベースの S3Pro の AF の方がずっと意図したとおりに合焦する。

“シャッター切るだけカメラ” 計画はいきなり躓くことになった。 (次回に続く)

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2008年07月12日

K20D ダイナミックレンジ拡大機能を考える #1


Nice にて - Pentax K20D, smc Pentax FA77mmF1.8 Limited


以前、K20D が出た直後くらいに書きましたが、K20D のダイナミックレンジ拡大機能は、センサーから 1 段暗い感度で取り込んで “伸ばす” ことで実現しています。
つまり、ISO200+ダイナミックレンジ拡大、にすると、ISO200 感度の前提で露出計算を行い、実際の取り込みは ISO100 相当の感度で行って、後でグラデーションが破綻を起こさないように伸ばすわけです。
(なので、ダイナミックレンジ拡大機能を使用すると、ISO100 が使用できないのですが。)

僕が K20D を購入したのも、この機能があるからだったわけです。
何度も書いて恐縮ですが、僕の理想のカメラは “シャッター切るだけカメラ” です。
もし、K20D にネガフィルムくらいのレンジ、もしくはそこまで言わなくても S3Pro/S5Pro くらいのレンジがあれば、かなりそれに近づくな、と思ったわけです。

なので、これまで MF 中心だった撮影スタイルを AF 中心に変えて、

「これで “シャッター切るだけカメラ” に一歩前進。」

と思っていたのですが・・・ (次回に続く)
 
 
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2008年07月09日

夏の空気には長めの単焦点


Eze にて - Pentax K20D, smc Pentax FA77mmF1.8 Limited
 
光線の違いからか、赤が日本で見るのと違った色に見えました。
写真でもやはり違いますね。
ちょっと不思議です。

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今回の旅行では、K20D+FA77 と Finepix S5Pro+AFS18-200 (S3Pro は S5Pro より少しサイズが大きく、カメラを持ち歩くバッグにK20Dと一緒に入りきらなかったため断念) を持って行きました。
どちらも単三電池が使えないので、スペアの専用バッテリを2つ、充電器も2つ持っていかざるを得ず、荷物がかさばってしまいました
(S5Pro は縦位置グリップで単三電池の使用が可能なため、念のために縦位置グリップも持っていくことに。ただ、S5Pro に縦位置グリップを装着すると S3Pro より 2 回りくらい大きくなるので、もちろん通常は外したまま・・・より荷物が増えました(-_-;))。

今回の旅行では、なるべくレンズ交換をしたくないので (CCD トラブルやレンズ落下の防止と治安上の問題のため)、便利な高倍率ズームの AFS18-200 の出番が増えると予想していたのですが、AFS18-200 で撮ってみるとどうもしっくり来ず、結局 FA77 で撮り直す、といったシーンがとても多かったです。

夏の (特に南欧の乾いた夏の) 空気には、長めの単焦点がしっくり来るようです。

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2008年07月08日

See you again, somewhere on the earth ...


Nice にて - Pentax K20D, smc Pentax FA77mmF1.8 Limited

昨日帰ってきたのだけど、時差ボケで死んでました。

今回も、いろんな人に出会ったなぁ。
とんでもない奴もいたけど、イイ奴もいっぱいいて、かなりヤバイ状態になりそなところを助かったり、1 人きりの退屈な長距離フライトが楽しくなったりもした。日本が好きで日本に来る予定のヤツや、日本に来る途中のヤツもいた。
出会いといえば、僕は生物学者に縁があるみたいで、往きは香川大学の研究員、帰りはヨーロッパ人の生物学者の写真マニア(笑)と 3 時間以上もトイレ前で立ち話をしたり、レンズを交換し合って雲上に昇る朝日を撮りまくったりした。トイレに入っている人は迷惑だったかな(笑)

以前は、「縁を大切にしなきゃ」とメールアドレスを交換したりしたのだけど、今はそういうことをしたいと思わなくなった。

名前も聞かずに、 「それじゃ、また。地球のどこかで。」 って別れるのが、一番いいんじゃないか、って思う。

僕が出会ったその連中は、その時間、そこだけに、存在していたわけで、それはそれとして記憶に残しておくだけにするのが一番いいような気がする。
 
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